吉川具仁子

吉川 具仁子 Kuniko Kikkawa

ソプラノ

東京藝術大学卒業、同大学院修了。第6回日伊声楽コンコルソに優勝し、同年イタリア政府給費留学生として渡伊。ミラノ・スカラ座附属オペラ研修所ならびにローマ・サンタ・チェチーリア・アカデミーを修了。ロニーゴ・テアトロ・コムナーレ国際声楽コンクール、メラーノ・デビュー国際声楽コンクール他複数のコンクールに入賞の後、トーティ・ダル・モンテ国際声楽コンクールに入賞し、トレヴィーゾ・テアトロ・コムナーレの《ドン・ジョヴァンニ》でオペラ・デビューを飾る。その後、北イタリアの主立った歌劇場に次々と出演し、現地の新聞の批評でも高く評価された。

宗教曲の分野では、ローマ・サンタ・チェチーリア大ホールで同オーケストラと共演、また、バーリのペトゥルッツェッリ歌劇場においても歌劇場管弦楽団コンサートにソリストとして出演した。テレビ・ラジオでは、旧東ドイツ国営テレビ、RAI(イタリア国営放送)や民間放送に数多く出演。

リサイタル・コンサートの分野でもローマ、ミラノを初め、イタリア各地において幅広いレパートリーで活躍し、その深く豊かな音楽性溢れる歌唱で多くの聴衆を魅了してきた。

日本でも藤原歌劇団のオペラ公演、NHK-FM放送、日本各地でのコンサートに多数出演し、好評を得てきた。現在もなお、活発な演奏活動を続けている。

「古典の世界」、「トスティ歌曲集」、「イタリア近代歌曲集~やさしい心~」、「イタリア近代歌曲集Ⅱ~告白~」の4枚のCDが発売中である(Amazonで購入可能)。また、現在、日伊声楽コンコルソの審査員、並びに、日伊音楽協会の理事を務めている。

教育の分野では、二期会イタリア歌曲研究会の講師を務めるなど、30余年にわたる在伊中に師事した超一流のアーティストや指導者の元での深い研鑽に基づいた歌唱を後進に伝えることに心血を注ぐとともに、長年のキャリアを支えた無理のない自然な発声法を歌うことを楽しむ方々にも広く伝え、歌う喜びを共に味わいたいと願っている。

サンプル:吉川具仁子コンサート・プログラム

【バリアフリー・コンサート】
ヘンデル 懐かしい木陰よ(ラルゴ)
シューベルト アヴェ・マリア
ロジャース 《サウンド・オヴ・ミュージック》より“エーデルワイス”
山田耕筰 赤とんぼ
  からたちの花
武満徹 死んだ男の残したものは
  小さな空
ヘンデル 懐かしい木陰よ(ラルゴ)
プッチーニ オペラ《蝶々夫人》より“ある晴れた日に”
2013年3月20日 名古屋・ウィルホール
【世田谷美術館プロムナード・コンサート】〜イタリア古典歌曲から近代まで〜
モンテヴェルディ なぜか知らねど心ときめき
ローザ そばにいることは
スカルラッティ 熱き血潮よ
  おろかな恋人達よ
サルティ いとしい人から遠く離れて
ロッシーニ 何も言わずに
ヴェルディ 哀れな男
トスティ もう泣かないで
  夢見て、ああ、愛しいお母さん
  そっとしておいて!一息つかせて(「アマランタの4つの歌」より)
レフィチェ 雲の影
レクリ 羊飼いは歌う
レオンカヴァッロ 愛に身をゆだねてごらん
2012年11月23日 世田谷美術館講堂
【ミニ・サンクス・コンサート】
モンテヴェルディ なぜか知らねど心ときめき
ヘンデル ラルゴ
ローザ 側にいることは
高田三郎 くちなし
木下牧子 夕顔
中田喜直 悲しくなったときは
  こだまでしょうか
トスティ もう泣かないで、お母さん
  そっとしておいて!一息つかせて
武満徹 恋のかくれんぼ
  島へ
小林秀雄 落葉松
プッチーニ オペラ《トスカ》より“歌に生き、恋に生き”
2011年10月17日 大阪・帝塚山ボネール